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こんにちは。双極性障害の躁鬱くん(@so_utsu_kun)です。
ショーペンハウエル(ショーペンハウアー)の「自殺について」。
かなり直球なタイトルで、初めて目にしたとき、手に取ること自体が怖いというか、開けてはいけない得体のしれない何かを開けるかのように感じました。
精神疾患を発症した大学生の頃です。
一方で、毎日の生活の中で「つらい」「苦しい」「消えたい」「死んでしまいたい」という気持ちがずっとぐるぐるしていて、この生きづらさが何なのか、誰か助けてくれないか、生きる(または死ぬ)ためのヒントがどこかに転がってないか・・・
こんな風に感じているなか見つけたのが本書でした。
今回の投稿ではショーペンハウエル「自殺について」に対して、私が気になった点・感じた点について書き記します。
1)そもそも人間には「使命」というようなものは一つもない
ショーペンハウエルによると、この世界には「意志」と呼ばれる本質があるそうです。
ここでいう「意志」とは、単なる意志力や目的意識ではなく、あらゆる存在の根底に流れる、盲目的で止まることのないエネルギーのようなもの。
それは生物の本能、欲望、衝動、生命の持続を駆り立てる力として現れます。
しかしこの「意志」には、絶対的な意味で「こうあるべきだ」という目的や使命はありません。
だからショーペンハウエルは、人間に「使命」などというものは本来一つもないのだと言います。
2)一人ひとりに分配された「意志」が満足していないからこそ素晴らしいものが生まれる
ショーペンハウエルの言う「意志」は、世界のあらゆる存在に染みわたっています。
人間にも、「世界全体」から一人ひとりに「意志」(欲望のようなもの)が割り当てられています。
が、仮に「意志」が全て満たされている人がいるとしましょう。
そんな人からは何か新しいものや考えを生み出したり、何らかの作品を完成させることなど思いもよらないのです。
なぜなら、その人の心の働きは自分の身の上のことにしか注目していないからです。
正直そんな人の生き方を見ても見た人は何の感情も湧かないでしょうし、興味も湧かないでしょう。
一方で、
もろもろの願いやさまざまな望みが全て打ち砕かれ、しかも、いやしがたい欠乏があらわになり、このようにして、意志はいつまでも満足されぬままにとどまるよりほかはない時にのみ、初めて、人は、「この世界は、そも、なんであるか?」という疑いを発し、そしてこれをみずからに対して問う
のだそうです。
たとえば、芸術や音楽、哲学、あるいは人を救いたいという優しさですら、その出発点にはたいてい、「足りなさ」や「苦しさ」があります。
だからショーペンハウエルは、「意志が満たされないこと」そのものを悲観するというより、それが人間に創造や思索をうながす原動力になっていると述べています。
3)自殺とは生きようとする意志の表れ
このような流れからも分かる通り、「自殺」とは「意志」の一部の形態です。「生きようとする意志」と呼べるでしょう。
「生きたいからこそ死にたくなる」
とは矛盾しているかのようにも思えますが、私自身の自殺企図の経験から言っても納得する部分は多いです。
ショーペンハウエルはこの理屈について
目的に到達するのが不可能だと悟る⇒それでも意欲する「意志」から脱却できない⇒耐えられなくなる
というサイクルを示しています。
つまり、自殺は「意志を否定した行為」ではなく、むしろ「意志の力が強すぎたがゆえに選ばれた行為」なのです。
4)それでも自殺が怖い理由
それでもいざ「自殺しよう!」「死のう!」と考えても決行に至らないか私のように完遂しない場合もあります。
怖いからです。
自殺が怖いのは自殺に伴い「肉体の壊滅」という壁があるからです。
この肉体こそが生きようとする意志をはっきりとあらわす存在です。
場合によっては「足かせ」ともいえるかもしれません。
ただし、ショーペンハウエルは、精神的な苦悩が大きいほど肉体に対しても何も感じなくなってしまうため、自殺を完遂してしまう場合もあると述べます。

実際、精神疾患で自殺を図る時の私たちもこのような状況に陥って企図してしまうことが多いように思う。
6)私たちは「意志」のパワーに負けるのか!?
また、ここまで述べた通り自殺とは「意志」の現れです。
強い強い全体の「意志」が個体に宿ったものであると考えると、自殺を完遂してしまうことは「意志」の放棄ではなく、意志の言いなりになった結果とも言えてしまうのです。
仕事や家庭がうまくいかなかったり、精神的に参ってしまって自殺を考える場合はあります。
ですが、意志を(ある意味勝手に)割り当てられた「個人」である私たちにとっては、これらの社会的環境と戦う前に世界の主権者ともいえる大きな「意志」との戦いに勝つすなわち「意志が志向する欲望そのものを手放す内的な超越の境地」に至ることを目指すのが、人生の意味であると捉える事もできるのではないでしょうか。

悟り的な境地に近いと思います。
7)そもそも生とは安息がないものなのだそう
ショーペンハウエルによるとそもそも生(生きる事)とは安息が無いものなのだそうです。
本書内でも
・幸福を求めるのは無理な注文p125
・生は苦悩を最も身近な直接の目的としているp136
という考え方がよく出てきます。
自分から見て幸せそうに見える人でも何かしらの不幸を抱えているのかもしれません。
今はそうでなくても過去または未来において不幸が表れる場合もあるでしょう。
つらいし苦しいですね。だからこそ「死にたい」「この苦痛から解放してほしい」と思いますよね。
ショーペンハウエルのやや突き放したような「生に対する考え方」は、もののけ姫のアシタカが言ったようにそれでも苦しみ生きよう、ということなのでしょうか?
8)まとめ
ショーペンハウエルの「自殺について」は、「自殺はいけないよ」とか「希死念慮が湧いたときの対処法」とか、そういうたぐいの本ではなく、どうして私たちが自殺を目指すのか、どういう原理で自殺が起こるのか、を哲学的にまとめた本です。
今まさに苦しんでいる人の心を明るくする何かがあるわけではないかもしれません。
ですが、自殺と自分の関係について客観視する一つの視点にはなるのではないかとも思います。
本書を読んで私は
「意志」という世界全体の力の実験台になる必要はない。
と思いました。
あなたが現在苦しくて、自殺を考えているのは、あなたの中にある「意志」が現在の自分や社会に満足していないからです。
でもその「悩み」「苦しみ」があなたを次のステップに導いてくれるかもしれない、とも思います。
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