この投稿では1999年放映、ウィノナ・ライダー主演の映画「17歳のカルテ」を紹介します。
私は以前「境界性パーソナリティ障害の疑い」という診断を受けていました。
実際の所、
「1か0か」、「白か黒か」、「敵か味方かの思考方法」
「親しくなった人にべったり依存」
「自分の命を人質に駆け引きをしたり」・・・
学生時代の私はそういう傾向にあったと自覚しています。
当時は本当の「信頼関係」「愛情」というものに飢えつつも、それが思うように得られなかったため、精神的不調とともにパーソナリティ障害っぽい傾向を強固にしていってしまったのかな、と分析しています。
私の経験則ですが、境界性パーソナリティ障害に限らず、(双極性障害も含めて)精神疾患を自覚し、症状をやわらげていくのには、自己を客観視するのが重要と思います。
映画「17歳のカルテ」はそういう意味で勉強になるし、ストーリーとしても引き込まれる作品です。
「17歳のカルテ」のあらすじ
物語は主人公のスザンナ(ウィノナ・ライダー)がアスピリンとウオツカを大量に飲んで自殺未遂を犯し、病院に搬送されるシーンで幕を開けます。
生きることに対する訳の分からない苛立ち、不安、不満から、衝動的に起こした行動でした。
「死ぬつもりはなかった」と主張するスザンナですが、両親からは理解されません。
娘に手を焼いた両親は、スザンナを精神病院へ入院させます。
そこで“境界性パーソナリティ障害”と診断された彼女ですが、同じく心に闇を抱えながらも健気に生きようとしている同世代の少女たちと知り合い、交流を深めるなかで、スザンナは徐々に自立心を取り戻していきます。
境界性パーソナリティ障害者や他の精神患者が本作品を見る意義
境界性パーソナリティ障害者や他の精神患者には本作品を見る意義があると考えます。
その理由は以下です。
順に解説します。
他人事ではない
境界性パーソナリティ障害は成育歴によるものも大きいと言われていますが、境界性パーソナリティ障害を含め、精神疾患は決して他人事ではありません。
実際、本作品の主人公スザンナを演じるウィノナ・ライダー自身、自らも境界性パーソナリティ障害で精神科入院歴があります。
自己を客観視できる
境界性パーソナリティ障害は、渦中にいると「愛情を渇望するのに孤独から逃れられない、愛されると感じた瞬間、極度に依存してしまい結果人間関係を壊してさらなる孤独に陥る」という負のサイクルを繰り返してしまう傾向にありますが、本作品を見ることで、自己を客観視することができます。
また、これはパーソナリティ障害者に限らず、他の精神障害者や、健常者であっても当てはまります。
本作品は、揺れ動く少女の心をリアルに追いかけていくため
「この生きづらさはよく分かる」
「こういう場面ではこう感じてしまう場合があるんだな」
という共感から、
「そんな風に考えなくてよいのに・・・」
というものまで含め、彼女たちの感情や行動を追体験しながら、一歩引いた目線で客観的なものの見方、「自分の芯(自我)」の大切さを見出すことができるのです。
少しだけ生きる希望、覚悟が持てる
映画のラストでスザンナは言います。
「この世は矛盾に満ちて不誠実で欺瞞(ぎまん)にあふれて、生きていくのに値しないものかもしれない。でもそんな世の中でも生きていこうと思う」
人生は決してバラ色の世界ではありません。
苦痛を感じる場面のほうが多いかもしれない。
この投稿を読んでいる方でも、今この瞬間「死んでしまいたい」「生きることに希望が持てない」と思う人もいると思います。
それでも「生きていこうと思う」と言い切るスザンナの生命のほとばしりを目の当たりにすることで、私達自身も少しだけ生きる希望、覚悟が持てるのではないかと思います。
アンジェリーナ・ジョリーの怪演を純粋に楽しめる
本作品は、主人公のウィノナ・ライダーが可愛く、もちろん演技も良いのですが、”反社会性パーソナリティ障害”で主人公とともに入院している「リサ」(アンジェリーナ・ジョリー)の怪演が光ります。
このころのアンジェリーナ・ジョリーはほとんど無名だったようですが、本作品から注目を集め、大女優に出世した一面もあるようです。
パワフルでエキセントリックな彼女の演技を純粋に楽しめるという点も含めて、本作品は見る意義があると感じます。
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キャスト
スザンナ:ウィノナ・ライダー(高橋理恵子)
リサ:アンジェリーナ・ジョリー(湯屋敦子)
ウィック博士:バネッサ・レッドグレーブ(藤波京子)
ヴァレリー:ウーピー・ゴールドバーグ(小宮和枝)
トビアス(トビー):ジャレッド・レト(佐藤 淳)
スタッフ
監督・脚本:ジェームズ・マンゴールド
製作:ダグラス・ウィック
製作:キャシー・コンラッド
製作総指揮:キャロル・ボディ
製作総指揮:ウィノナ・ライダー
原作:スザンナ・ケイセン
脚色:リサ・ルーマー
脚色:アナ・ハミルトン・フェラン
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