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「自立と依存の心理 本当の『心の支え』を見つけるには」(加藤諦三)という本を読みました。
文中にうつ病に関する筆者の考えが出てくる部分に関しては「いい加減にしろ!」「時代錯誤も甚だしい」「精神疾患を全くわかっていない」と憤る内容ばかりでした。
したがって、精神疾患者(特に今、症状がきつい人)がこの本を読むことは全くお勧めしません。
ただ、本書の「心の支え」というテーマについては掘り下げて考えるヒントのようなものがありました。
今回の投稿では、「心の支え」さらに、それを精神疾患に活かせないかというテーマで掘り下げて考えます。
本書でいう心の支えがある人とは
本書では「心の支え」がある人のことを以下のように定義しています。
困難なときにどう生き延びるかが人生では大切である。困難なときに生き延びられるような人間が心の支えのある人間である。
また、心の支えがある人とは「気持ちや出来事をコントロールできる人」とも言い換え、
・「何を捨てていくか」が自分をコントロールできるかできないかの判断基準
・捨てるものを見極められないと日々起きてくるトラブルをコントロールできない
これについて双極性障害の私が思う解釈を述べます。
”心身の体調が悪い時にはあれもこれもやりたくてもできない。
風呂に入れないかもしれないし、洗濯や掃除などの家事、食事を作れない、働けない・・・
ここで罪悪感を持ったり、自己嫌悪、自分には価値がないと思い込むのはもったいない”
という意味だと受け止めました。
私たちがすべきことは1つ1つやれることを絞って選択して、やるべきだし、もし仮にそれができなくても今回はそういう日であり「できない」という選択をした日。そして結果として1日生きることができた、と思うのが重要だと思います。
また、少し体調が良い日に
「今日は怒りやイライラ、不安感、憂鬱感がない。」
と感じることもあります。そんな日が1日でもあれば大げさにでも自分を評価してもいいんじゃないかなと思います。
心の支えが何もない人とは
本書では「心の支え」を持つ重要性を述べていますが、特に「不安な人には心の支えが何もない」と述べています。
このような人には
・この人だけは信じられるという友人
・この分野だけは自分は本気で勉強した
というものがない。と述べています。
筆者は結果より過程を重視すべきだと述べています。
たとえば家を建てた(結果)ではなくどういう過程で造ったかということだそうです。
ですがこの家を建てた例でも「どういう過程で」を重要視していながら最終的に「造った」という結果に結びついていますよね。
過程が重要な場合は多いですが、最終的には結果を得ることが大事だと、私は考えます。
例えば、野球の広島カープの黒田博樹元投手は、2024年の広島カープが優勝目前で9月に大失速して最終的に4位に沈んだ際、
防御率は変動するけど、勝利数が減ることはない。先発投手に限ってですが、精神安定剤は勝ち星なんですよ。防御率4点台でも、2桁勝っていればメンタルはある程度安定するでしょうから
と述べていました。
どんなに頑張って、努力する「過程」があったとしても最終的に何らかの「結果」が伴わなければその努力も「心の支え」にはなりづらいのではないかな、というのが私の考えです。
心の支えの作り方
そこで「心の支え」の作り方について考えたいと思います。
私が考える「心の支え」の作り方としては、分かりやすい例であれば「資格試験に合格した」「働いててお金を〇円貯めた」「学校を卒業した」「本を〇冊読んだ」というのはアリでしょう。
それをクリアするのに必ず「努力」という過程が含まれるからです。
私のように精神疾患だったり体調が悪い場合、上記のような行動をすることすらエネルギーが足りずできない、と感じる人もいると思います。
その場合、以下のような本書の考え方も参考になりそうです。
本書で述べられている心の支えの作り方として
・どんな小さなことでも良いから自分で決める習慣を作る
という提案があります。
たとえば「朝ごはんに何を食べるか」などという小さなことから始めればいいそうです。
朝食でさえ、いつも旦那さん任せ、奥さん任せにしていると、「自分の意志」がどんどん弱っていく。これが心の支えのできない原因の一つだそうです。
たしかに一つ一つの物事を自分の責任で行うことはすごく重要だと思います。
私も、夫婦生活の中で善意のつもりですぐに「〇〇どうする?」と聞いてしまうことがありますが、これは見方を変えれば、私ができる選択を夫に押し付けて、夫が判断しなければならないタスクを増やしてしまう行為ですよね。
結果、自分の意志、考え、思考力がどんどん弱っていく感じがします。
とにかく「心の支え」をつくるため、「自分の意志」を強めていくことは重要です。そして一度「自分の意志」で生きていくと決断したら、人を責めるのは極力やめるべきです。責任転嫁は自分の意志力を弱めていきます。
ちなみに、「心の意志を強めていく」を頑張ろうと思い立ったら、自分の意志でコツコツと行った行動を記録するのがおすすめです。
できれば後から見返せるものだと良いと思います。
私が活用しているのはスマホアプリの「日常」という日記ツールです。課金して、過去ログも振り返れるようにしています。
毎月1日に今月やることをリスト化し、できたらチェックに替えていく方法です。
今月の自分の頑張りの積み重ねが可視化できるので、少しずつ自信になっています。
ただ、これは習慣化するまでがハードルが高いし、私独自のやり方です。
より気軽に毎日のログをつけるのであればAwarefy(アウェアファイ)という認知行動療法をもとにしたメンタル管理アプリもおすすめです。
Awarefy(アウェアファイ)では、日々のルーティンを設定しておき、時間になるとスマホ画面に通知が来たり、感情や体調のログを記録できるし、あとから記録の全体像を振り返ることもできます。
私も実際に使ってみたので興味がある人は以下投稿もチェックしてくださいね。
【閲覧注意】本書は精神疾患に対して時代錯誤と感じる部分も多い
ここまでは、本書の活かし方について考えましたが、ではこの本を全員が手に取ってHAPPYになれるかといったらそうでもないと感じたので、注意喚起として付記します。
本書は何より、うつ病に対する理解がおかしいと感じました。
例えばこんなことが書かれています。
これだけ読んだだけでうんざりですよね(汗)
「そういう人ももしかしたら、もしかしたら、、、??いるかも?しれないね?????」
というレベルの偏見だと思います。
なので、特に今うつ状態が酷かったり参っている人には本書は全くお勧めしません。
私も読んでてムカムカしてきたため、全部精読はしませんでした。
まとめ
共感できない部分も色々ありましたが「自立と依存の心理」は、一定の気づきを得られた本ではありました。
自分で自分の人生に責任を持ちつつ、「心の支え」も少しずつ育てて、時間はかかっても病気もコントロールできるようになりたいなと思います。
Awarefy(アウェアファイ)という認知行動療法をもちいたメンタル管理アプリもぜひ参考にしてみてください。
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