【アンケート】精神疾患の方に聞いた就労移行支援の利用実態をわかりやすくまとめました

精神疾患と仕事

※当記事はPRを含む場合があります。

こんにちは。双極性障害の躁鬱くん(@so_utsu_kun)です。

 

寝子
寝子

就労移行支援って聞いたことあるし興味があるけどどんなサービスなのかよくわからない

サラリーマン
サラリーマン

就職・復職の為に活用できるなら使ってみたいけどお金がかかるの?

こんな疑問はないでしょうか?

躁鬱くん
躁鬱くん

私自身就労移行支援ってどんなものなのかな?自分の就職やスキルアップに活用できるのかな?と疑問に思っていましたが、なかなか調べるのもおっくうで後回しにしていました。

そんな中、XのFFさんで就労移行支援を活用して就職に成功し、現在も職場で活躍されているのを目にし、プログラム内容や満足度、体験談について詳しく調べることが他の精神疾患の方の就業に役立つのでは?と考えました。

そこで今回、Xを通じて躁鬱くんによる独自アンケート調査を実施してみましたので、結果と考察を皆さんに共有させていただきます。

調査の概要

今回の就労移行支援の利用実態アンケート調査の概要は以下の通りです。

  • 調査期間:2025年5月10日~5月18日15時まで
  • 調査方法:Xで回答者を募り、Googleフォームを使ってアンケート調査を実施
  • 対象:精神疾患の方で就労移行支援を利用した経験のある方または現在利用中の方
  • 目的:就労移行支援の利用実態を把握し、利用を検討している人の有益な情報とすること

今回の調査では精神疾患の方で就労移行支援を利用した人・利用中の人を対象にXを通してアンケート調査を行いました。

合計12名の方からご回答をいただき、30~40代からの回答が80%でした。

私自身が双極性障害の当事者としてXを通じて募集をしたため、双極性障害の方からの回答が中心(9名)という結果でした。

躁鬱くん
躁鬱くん

それでは次章から詳しいアンケート結果と考察を紹介します。

就労移行支援の利用したorしている人の利用実態について

この章で分かること
  • 就労移行支援の利用期間
  • 就労移行支援の利用料金
  • 就労移行支援の利用目的

就労移行支援の利用期間

就労移行支援の利用料金

就労移行支援の利用目的

結果と考察

今回の調査では就労移行支援利用中の方と過去に利用した方から同時にアンケートを取りました。

現在就労移行支援を利用中の人も含めて6か月以上~2年間の利用者が多いことが分かりました。

そして、ほとんどすべての人が無料で就労移行支援を利用しています。

就労移行支援は、生活保護受給者や住民税非課税世帯の人(+自治体による基準を満たしている人)は無料で利用することができます。

躁鬱くん
躁鬱くん

そのため、利用料金が有料になってしまう所得の人は就労移行支援を利用するという選択肢をらない(諦めてしまう)方が多い可能性も示唆されました。

また、就労移行支援利用の一番の理由は「就職・復職のため」でした。

※主治医、カウンセラーから利用を勧められる場合もあるようです。

躁鬱くん
躁鬱くん

たとえば私の場合は通院中に就労移行支援を勧められた経験がないので、社会システムや福祉と連携する意識の強い病院が様々な情報提供を行っていることが示唆され、通っている病院によって情報提供の積極性に格差がある印象も受けました。

就労移行支援の選び方について

この章で分かること
  • 就労移行支援を選ぶための情報源
  • 事業所選びで重視したポイント

就労移行支援を選ぶための情報源

事業所選びで重視したポイント

結果と考察

就労移行支援を選ぶ際、インターネットの情報をもとに選んだ方が75%を占めましたが、より良いマッチングの為には事業所の説明会や見学が重要であると感じられました。

もっと、見学に行けば良かった。

Q9)事業所選びで困ったことや後悔したこと


事業所選びで重視したポイント「家からの通いやすさ」(75%)と答える人が最も多かったです。

つづいてスタッフ対応(66.7%)、プログラム内容(58.3%)精神障害・発達障害への理解や実績(50%)という順でした。

躁鬱くん
躁鬱くん

意外にも就職実績を重視していた人は少なく、25%という結果でした。

一方、家から近いことは重要ですが、特に田舎だと知人と顔を合わせてしまい気まずくなるリスクがあるようです。

近所の方と偶然顔を合わせてしまい、お互いの状況をお互いに知らなかったので、なんだか気まずい思いをした。

Q9)事業所選びで困ったことや後悔したこと


また、人気で予約が取れない場合や、就労移行支援事業所数が多すぎて選び方が難しいという意見もありました。

人気なのか見学が1ヶ月先の事業所もあり入所のタイミングが難しい

Q9)事業所選びで困ったことや後悔したこと

事業所が多過ぎてどこが良いか決められませんでした。

Q9)事業所選びで困ったことや後悔したこと

就労移行支援のプログラム内容やスタッフ対応・困ったことについて

この章で分かること
  • 事業所で受けた主なプログラム
  • 自分の特性で困ったこと
  • 事業所のスタッフ対応
  • 事業所の精神疾患や発達障害への理解度
  • 精神疾患や発達障害の特性で困ったこと

事業所で受けた主なプログラム

自分の精神疾患や発達障害の特性で困ったこと

事業所のスタッフ対応

事業所の精神疾患や発達障害への理解度

精神疾患や発達障害の特性で困ったこと

結果と考察

利用したプログラム自身の障害理解の一環である体調管理サポート、ストレス管理の利用が最も多かったです。

つづいて、PCスキル、ビジネスマナー、グループワーク(66.7%)という結果でした。

躁鬱くん
躁鬱くん

基礎的なビジネススキルの習得を目指す人が多いことが分かりました。

そのため、すでに社会人として働いた実績が多い人には物足りなく感じる可能性もあります。


プログラム内容について、職場実習は評判が良いですが、全ての事業所で行っているわけではないため、実践的なスキルを身に着けることを重視する人は職場実習がある事業所かどうかを確認する必要もあります。

おすすめ事業所

LITALICOワークスは全国に4,500ヶ所以上の企業インターン先があり、就労移行支援事業所としては最大規模です。

実際の職場体験を通じて自分にあった職業を見つけたいという意識が強い人にはおすすめの就労移行支援事業所です。

事業所スタッフの対応はおおむね満足度が高く(75.1%)障害に対する理解もある事業所が多い(66.7%)ということが分かりました。

※たとえば面談や書類サポートが受けられる点が高評価でした。
 ただし中にはスタッフとの相性が悪い場合や障害に対する理解が低いスタッフもいるようです。

一方、

  • 鬱によるモチベーション低下(33.3%)
  • 体調の波(16.7%)
  • 対人コミュニケーション(16.7%)

で困った経験をした人が多かったです。

また、スタッフとの関係は良くても、利用者同士でのトラブルが起きる場合があり、この部分に対するスタッフの対応は課題があるようです。

就職実績・職場定着実績について

この章で分かること
  • 就労移行支援を利用した結果、就労に至ったか
  • どのような職種に就いたか
  • 就職先で障害を開示したか
  • 職場での配慮は受けられたか
  • 就職後どれくらいの期間働き続けられたor働き続けられているか

就労移行支援を利用した結果、就労に至ったか

どのような職種に就いたか

就職先で障害を開示したか

職場での配慮は受けられたか

就職後どれくらいの期間働き続けられたor働き続けられているか

結果と考察

残念ながら正社員としての採用は今回の調査では0%でした。

契約社員・パートアルバイトで41.6%でその他の人は就職に至っていません。

ただし、現在通所痛の人も含まれるため、必ずしも就労移行支援を通して就職しにくいという結果をあらわすものではありません。

採用先事務職が最も多く、軽作業という人もいました。

また、今回の調査結果ではすべての人がクローズ就労ではなく障害をオープンにしたうえで就職に至っています。

職場定着実績としては、就職後少なくとも6か月以上定着している人が多数いました。

就労移行支援の定着支援について

就労移行支援事業所には定着支援と呼ばれるサポートがありおもに6か月間程度就職後のサポートが受けられます

なかでもLITALICOワークスは業界の中でも最長クラスの2年半の定着支援が得られるため、仕事を継続できるか不安な人は定着支援の手厚さをもとに事業所選びをするのもおすすめです。

全体の満足度について

結果と考察

就労移行支援全体の満足度についての結果と考察です。

就労移行支援事業所に通った方、通っている方の総合的な満足度は75.1%の人が「満足した」と答えました。

満足した人の主な理由は以下のようなものがありました。

定期的な面談の他にも、お願いすれば時間をとって面談してくれる。

Q20-2)満足度の理由や具体的なエピソードがあれば教えてください。

様々なオフィスワークのプログラムや対人関係のレッスン、在庫管理、ウェブショップの販売に参加させていただきました。たくさんの違う病の友人と楽しく過ごしました。

Q20-2)満足度の理由や具体的なエピソードがあれば教えてください。

また、まだ就職に至っていない場合もあるものの、スキルが身についたり、同病者とのつながりができた点にメリットを感じた方がいました。

まだ就職には至れていないけれども、スキルは身についた。

Q20-2)満足度の理由や具体的なエピソードがあれば教えてください。 

人とのコミュニケーションをコンスタントに取れる機会があったこと、引きこもるとだらとも喋らないので

Q21)就労移行支援の利用で最もよかった点を教えてください。 

企業の見学や実習が出来た(案内が就労移行支援にしか来ないため)。就職を目指す仲間が出来た。

Q21)就労移行支援の利用で最もよかった点を教えてください。 

精神的にいろんな特性を抱えているいろんな方々と友人になれた

Q21)就労移行支援の利用で最もよかった点を教えてください。 

これから就労移行支援の利用を検討している人に向けたアンケート回答者からのアドバイス

最後に、就労移行支援の利用を検討している人に向けた、アンケート回答者からのアドバイスを紹介します。

誠実に取り組めば、結果はついてきますので頑張ってください!

通いやすいのが一番だよ…

いろいろ見学・体験して決めて欲しいと思います。プログラムの内容もそうですが、プログラム以外にも自分に必要なことが個別で出来るかや、支援員さんと利用者さんの雰囲気も大事だと思います。

就労移行支援施設に行って何するの?という方も多いと思いますが、まずいろんな立場にいる友人ができるというのは大きいです。自分がお金を稼げない非生産的なヤツだと思っていた気持ちも動けばかすかでもお金になるんだというのは大きな自信になりました。可能な時に外に出るだけでも自分にとっても家族にとってもいい気晴しになります。とはいえ、事業所も人の集まり。合わないこともあると思います。その時はエネルギーは要りますが、変わって気の合う場所を探してもらえたらと思います。

あまりに近所は避けた方がいい

まとめ

いかがでしたか?

今回12名の方から貴重な回答をいただき、大変有益な情報を公開することができました。

この場を借りて感謝申し上げます。

今回のアンケート結果について、まだご紹介できていない感想やご意見等もあるため、今後もう少しテーマを分けて掘り下げ、それぞれのアンケート結果やご意見・感想に従い、躁鬱どっとこむ内でさらに有益な情報を提供できるように努めていきたいと考えています。

最後に皆さんにお願いです。

もっとこんな情報が知りたい!こんな調査をしてほしい!という希望やアイデアがあれば、ぜひ私のXアカウント(@so_utsu_kun)までDMやリプライ等でご連絡いただけますと幸いです。

引き続きよろしくお願いいたします!

お願い:今回のアンケート結果を別サイト等で公開されたい場合には、必ず事前にご相談いただき、当サイトの出典を明記いただきますようよろしくお願いいたします。

この記事を書いた人
躁鬱くん

2008年から体調がおかしくなり、2009年耐えられなくなって精神科へ。当初は「転換性障害」、「摂食障害」と、「境界性パーソナリティ障害の疑い」でしたが、2013年から「双極性障害」と診断されています。
女性です。
振り返ると、大切な人間関係すべて破壊して生きてきました。これからは破壊ではなく皆と愛を育んでいきたい。

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