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こんにちは。双極性障害の躁鬱くん(@so_utsu_kun)です。以前の投稿で自立支援医療の制度の仕組みを紹介しました。
今回の投稿では、自立支援医療のメリットとデメリットについて当事者目線でもう少し詳しく紹介します。
自立支援医療の2つのメリット(おさらい)
1)精神科と薬局の医療費が1割負担になる
2)月々の医療費は、所得に応じた上限がある
自立支援医療(精神通院医療)とは、ざっくり通っている精神科と薬局の医療費が1割負担になるありがたい制度です。
さらに、所得に応じて精神科と薬局の月々の医療費に上限があります。
上限を示した表は以下の通りです。
所得区分 | 世帯所得 | 月額負担上限 | 「重度かつ継続」 の月額負担上限 |
---|---|---|---|
生活保護 | 生活保護世帯 | 0円 | 0円 |
低所得1 | 市町村民税非課税であり、 本人の所得が80万円以下 | 2,500円 | 2,500円 |
低所得2 | 市町村民税が非課税であり、 本人の所得が80万円より上 | 5,000円 | 5,000円 |
中間所得1 | 市町村民税の納税額が 33,000円未満 (年収約290~400万円未満) | 「高額療養費制度」の 限度額が上限 | 5,000円 |
中間所得2 | 市町村税の納税額が 33,000円~235,000円未満 (年収約400~833万円未満) | 「高額療養費制度」の 限度額が上限 | 10,000円 |
一定所得 以上 | 市町村税の納税額が 23万5,000円以上 (年収約833万円以上) | 対象外 | 20,000円 |
例えば、現在私は月1回精神科通院をしており、処方されている薬は1日約10錠ほど。
3割負担だと1回の通院・薬局代が7,000円程度になってしまいますが、1割負担であることにより2,000円前後の医療費で落ち着いています。
また、体調の悪い時に臨時で通院することもあります。私の所得では1か月の医療費の上限が2,500円に設定されているため、3割負担だと追加で数千円出費が増えてしまうはずですのところ、1か月の精神科医療費は最大2,500円で済むのも大変ありがたいです。
自立支援医療の4つのデメリット
1)事前に市区町村役場での手続きが必要
2)1つの病院と1つの薬局しか登録できない
3)自立支援医療証が届くまで時間がかかる
4)県外に引っ越すと再申請が必要
あきらかにメリットの方が大きい自立支援医療制度ですが、あえて挙げると上記の4つがデメリットであると言えます。
詳しく解説します。
1)事前に市区町村役場での手続きが必要
自立支援医療は精神科にかかれば自動的に受けられる制度ではなく、事前に市区町村役場での申請が必要です。
私は2009年から精神科に通院していましたが、自立支援医療の制度を知ったのは2017年になってからでした。
偶然同病だった知人が自立支援医療のことを教えてくれました。
この間約8年ですが、病気の症状もかなり悪い状態で毎月1万円以上の精神科医療費に生活が圧迫され続けていました。
当時、医療費のつらさについて薬局にたびたび相談しましたが、自立支援医療のことを教えてもらえませんでした。
残念なことに、8年分既に支払った医療費は返ってきません。
この記事を読み、まだ自立支援医療の申請をしていない人はすぐに申請手続きをするのをおすすめします。
2)1つの病院と1つの薬局しか登録できない
自立支援医療は1つの病院と1つの薬局をあらかじめ(市区町村役場での手続き時に)指定します。
途中で変更はできますが、その都度事前に市区町村役場で登録内容を変更しなければなりません。
したがって、登録の変更なく、「前回は病院近くのA薬局で薬をもらったけど、今回は自宅近くのB薬局で薬をもらう」ということはできません。
登録してある病院と薬局を利用した場合にのみ1割負担が適用されます。
3)自立支援医療証が届くまで時間がかかる
自立支援医療証は市区町村役場で申請して即日発行されるものではなく、発行されるまで1か月~遅いと2か月程度の時間がかかります。
私は夫の仕事の関係でいろんな県を転々としてきたため、自治体によってこの手続きのスピードが意外と違うことを知っています。
基本的には窓口での支払いは、自立支援医療証が届いてから1割負担になります。申請してから自立支援医療証が届くまでは通常の3割負担で精神科通院費を支払っておき、届いた自立支援医療証を病院・薬局に提示することで余分に支払った2割分の医療費が返ってきます。
自治体によってはもっと良心的な所もあり、市区町村役場での手続きが終わっていることを市区町村役場が病院に通知してくれるため、申請中で自立支援医療証が届く前でも1割負担にしてくれる場合もあります。(私の場合2か所がそうでしたが、全国的には稀かもしれません)
4)県外に引っ越すと再申請が必要
自立支援医療証は都道府県が管轄している医療サービスのため、引っ越しで他都道府県に移り住んだ場合には新しい自治体で自立支援医療の再申請が必要です。
前述の通り私は引っ越しが多く、これまで3回、自立支援医療を受けている中で他都道府県への引っ越しを経験しました。
引っ越す際に引っ越し元の市区町村役場で行う手続きはありません。
引っ越し先の市区町村役場にて、引っ越し元で使用していた自立支援医療証を提示することで再申請が可能です。
引っ越す際に以前の自立支援医療証を捨ててしまわないように気を付けましょう!
自立支援医療の制度に対する心配Q&A
このほか、自立支援医療の制度を利用することに対する心配の声として以下のものがあるかと思います。
順に確認しましょう。
Q1)自立支援医療を利用すると会社にバレるのではないか
自立支援医療の申請・利用にあたって会社に提出する書類や会社から発行してもらう書類はありません。
したがって、自立支援医療を申請・利用したことは会社にはバレませんし、精神科に通院していること自体もバレません。
病気をクローズドにして就労している方も多いと思いますが、バレる心配は0なので自立支援医療制度は確実に利用しましょう。
Q2)他県の医療機関だと申請できないのではないか
たとえば神奈川県に住んでいるけれど、東京の精神科に通っている/通いたいという場合がありますよね。
自立支援医療の管轄は都道府県ですが、自分の住む都道府県でない場合も病院・薬局の登録が可能なので安心してください。
Q3)申請後3割負担で払った医療費は返ってこないのではないか
自立支援医療を申請し、医療証が交付されるまでの間に通院がある場合は多いです。
3割で払ったお金は返ってこないんじゃないか
と不安になる人もいると思いますが、安心してください。申請後、医療証が交付されるまでに3割支払った医療費は返ってきます。
私も一時的に出費が多くてドキドキしましたが、ちゃんと返ってきました!
自分のお金なのに返ってくるとお金が増えた気がしてうれしい!笑
ただし、「自立支援医療申請前」に支払った医療費は返ってきません。
精神科通院しているなら、早めの申請がお勧めです。
まとめ
いかがでしたか?
自立支援医療の申請・利用にあたっては上で述べたような細かいデメリットはあるものの、心配事のほとんどは起きません。
メリットの方が圧倒的に大きい制度です。
精神疾患は長く病院に通い続けなければならない特性があり、その分金銭的負担が重いですが、自立支援医療が使えると、それだけで負担感が減ります。
私は8年間自立支援医療の制度を知らなかったため、お金の面ですごく気持ちがつらい日々を過ごしました。
まだ申請していないが自立支援医療に関心がある、精神科通院医療費の負担が苦しくて情報を探していた…という人はすぐにでも市区町村役場にて申請手続きをしましょう。
金銭的な負担が減るだけで、治療は前に進みます。
この記事が参考になれば幸いです。
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